LPを公開したあと、そのままの状態で何もしないということは少ないはずです。キャンペーンの文言を差し替えたい、写真を新しいものに変えたい。そう考えて制作会社へメールを送ったものの、「どの部分でしょうか」「前回と同じ解釈で合っていますか」と確認が返ってきて、やり取りが数回続いてしまう。たとえばそんな場面です。修正そのものは小さくても、伝え方で往復が増えると、次の依頼を出すこと自体が億劫になっていきます。

この記事では、更新の依頼で確認が重なる理由を、依頼文・確認する人・判断の場所という三つの観点から整理します。そのうえで、文言・画像・構成・機能という更新の種類ごとに必要な情報を分け、一通で伝わる依頼の型、公開前の確認順、更新履歴の残し方を順に見ていきます。読み終えたときに、次の依頼文を書き始められる状態を目指します。

更新が遅れるのは、作業量より情報の足りなさから

更新の依頼が何度も往復するとき、作業そのものが重いとは限りません。依頼文があいまいで、確認する人が決まっておらず、判断する場所が途中で変わる。この三つが重なると、一行の文言修正でも確認が三度四度と続きます。作業量を減らすより先に、伝える情報と決める人をそろえるほうが、公開までの時間は縮まりやすくなります。

「いい感じに」が生む確認のやり直し

たとえば「ファーストビューの文言を、いい感じに変えてください」という依頼です(架空の例)。受け取った側は「いい感じ」の基準が分からないため、候補を何案か作るか、意図を聞き返すことになります。候補を作る時間は、依頼側がすでに持っている情報を引き出す時間でもあります。変えたい理由と残したい印象を先に書いておくだけで、この往復は一回減らせます。

よくある依頼文と、そこで起きる確認の例
よくある依頼文起きる確認の例先に伝えておきたい情報
「いい感じに直してください」方向性の違う候補が複数返る変えたい理由と、残したい印象
「前回と同じ内容で」前回がどの版かを確認される対象URLと、基準にする公開日
「写真を新しいものに」使える素材の有無を聞かれる素材の置き場所と、差し替えの目的
口頭で伝えた一点別の担当者から別案が出る決まった内容と、決めた人

担当者と確認者が別々に答えている

依頼を出す担当者と、社内で最終的に公開を決める人が別だと、制作会社には二つの答えが届きます。現場の希望と上の判断が食い違ったまま作業が進むと、公開直前で差し戻しになります。どちらが優先かを、依頼の時点で決めておく必要があります。

最終判断をする人を先に決める

依頼の前に「この更新の最終判断は誰か」を一文で決めます。戻り先が一人に定まっていれば、制作会社は確認の宛先を間違えません。架空の例ですが、文言は広報、画像は店舗、公開の可否は責任者というように、更新の種類ごとに決める方法もあります。判断する人が決まっていない依頼は、作業の順番も決まりません。

依頼から公開までの流れと、判断が入る位置(例)
  1. 依頼を出す担当者が、対象URLと希望をまとめる
  2. 社内の確認者が、事実と表現を確認する
  3. 最終判断をする人が、進めてよいかを決める
  4. 制作会社が作業し、確認用のURLを共有する
  5. 判断者が公開を承認し、更新履歴を残す

情報の足りなさは、書き手の力量ではなく決め方の問題です。次の章では、更新を四種類に分け、種類ごとに必要な情報がどう変わるかを見ます。

更新を4種類に分けてから依頼する

更新の依頼を一通にまとめようとすると、どこまで書けばよいか迷います。文面を増やすより先に、更新を4種類に分けてみてください。文言、画像、構成、機能では、必要な情報も作業の順番も違います。種類が決まれば、書く項目は自然に絞られます。

文言と画像の差し替え

文言と画像の差し替えは、いま表示されている内容を別の内容に置き換える作業です。完成形を言葉か素材で示せるため、4種類のなかでは依頼しやすい部類に入ります。文言なら、現在の文と新しい文を並べて書きます。画像なら、差し替え先のURL、掲載位置、代替テキストの有無を添えます。たとえば架空の例ですが、「料金表の下の一文を、予約開始日の案内に変える。文章はこのとおり」と書けば、受け取った側は解釈で迷いません。

構成の変更と機能の追加

構成の変更は、要素の順番の入れ替えや追加・削除を伴います。文章を直すだけでは足りず、余白やデザインへの影響も出ます。機能の追加はさらに進んで、フォームや計測など、公開後の動作に関わります。この二つは、何をどう変えるかに加えて、なぜ変えるのかを伝える必要があります。理由が分からないと、代わりの案を出しようがないためです。

更新の種類ごとに、判断する人と先にそろえる情報(架空のLPを想定した整理例)
更新の種類主に判断する人先に伝える情報必要な素材
文言の差し替え広報や商品の担当者現在の文と新しい文、変える理由確定した原稿。誰が書いたかも添える
画像の差し替え店舗や商品の担当者掲載位置、差し替えの目的、代替テキストの要否画像データと、使ってよい範囲の確認
構成の変更責任者と制作会社変える範囲、目的、参考にしたい並び簡単な下書きや、参考にしたいページのURL
機能の追加責任者と社内の情報システム担当目的、必要な動作、公開したい日動作の条件を書いたメモと、確認できる環境

公開日から逆算して締切を決める

構成と機能は、作業のあとに確認の時間が要ります。公開日を先に決め、確認日、素材の締切、依頼日の順にさかのぼって日付を置きます。締切だけを短くすると、確認が削られ、公開後の修正が増えます。

公開日から逆算して、依頼を出す日までを並べる
  1. 公開日を決める
  2. 確認日を先に押さえる
  3. 素材の締切を決める
  4. 依頼を出す

1通で伝わる依頼の型を作る

更新の依頼を思い出した順に書くと、受け取る側は足りない情報を推測して確認を返すことになります。一通で伝わる型は、対象URL、ページ内の場所、いまの表示、希望する表示、公開したい日、最終確認者の六つです。これがそろっていれば、制作会社は作業範囲と確認の宛先を同時に判断できます。

スクリーンショットに書き込む

画面の画像を添えるときは、該当箇所を枠で囲み、変更する順番が分かる番号を振ります。画像だけでは、どのページを、どの表示幅で見た画面かが伝わりません。撮影したURLと、スマートフォンかパソコンかの別を添えます。画像は位置を伝える道具で、修正内容そのものは次の項のように言葉で確定します。

ビフォーアフターを言葉でも書く

画像に書き込んでも、日付、金額、固有名詞は読み違えることがあります。現在の文をそのまま引用し、変更後の文を一字一句書きます。「11月10日から」のように、確定した表記で渡します。文章を任せたい場合は、希望する方向と避けたい表現を書き、案の作成を依頼します。

更新依頼の記入例(架空のLPを例にした見本)
項目記入する内容架空の記入例
対象URL変更したいページのURL。公開中のURLをそのまま書くhttps://example.jp/lp/service
場所ページ内の位置。見出し名やボタン名まで書くファーストビューの見出し下、料金表の直前
現状いま表示されている文言や状態「お問い合わせはこちら」というボタン
希望変更後の表示。決まっている文は全文を書く「資料請求はこちら」に変更し、リンク先は同じ
期限公開したい日と、確認を終えたい日11月10日公開。11月6日までに確認完了
確認者最終的に公開を決める人の名前と役割営業部の佐藤さん(架空の担当者)

複数箇所を一度に頼む時の分け方

複数箇所を一度に頼むときは、ページと目的でまとめます。同じページの文言差し替えは一通にまとめ、構成の変更や機能の追加は別の依頼に分けます。作業の順番が前後する場合は、番号の横に「この修正の後で」と書きます。公開日が違うものは、同じ依頼に混ぜません。

図:依頼から公開までの流れ(架空のLP更新を想定した例)
  1. 依頼:六つの項目をそろえて送る
  2. 見積もり:作業範囲と日数を確認する
  3. 作業:確認用のURLで共有する
  4. 確認:依頼者と最終確認者が見る
  5. 公開:承認後に反映し、記録を残す

型を一度作って社内で共有すれば、依頼のたびに書き方を考える時間は減ります。送る前に六つの項目を見直すだけで、確認の往復は少なくなります。

公開前の確認と、公開後の記録

依頼が形になり、確認用のURLが届いたあとが、判断の集まる時間です。どこを見て、誰が決めれば公開してよいのか。公開後に何をどこへ残すのか。この二つを先に決めておくと、次の更新で同じ確認を繰り返さずに済みます。

公開日を決めた後の確認順

公開日が決まったら、見る順番も決めます。表示、リンク、計測の順で確かめると、見落としが重なりません。表示では、変更した文言の表記と画像の差し替わりを確認します。リンクでは、変更した箇所と問い合わせのボタンが公開後も開くかを見ます。計測では、計測タグとフォームの送信が記録される設定かを確かめます。

  • 表示:日付・金額・固有名詞が、依頼した表記のまま反映されている
  • 表示:スマートフォンとパソコンの両方で、文字の折り返しや画像の切れがない
  • 画像:差し替えた画像が意図した位置に入り、代替テキストも内容と合っている
  • リンク:変更した箇所のリンク先が開き、問い合わせのボタンもこれまでどおり動く
  • 計測:計測タグとフォームの送信が、公開前と同じ設定で記録される
  • 照合:元の依頼文の項目を上から消し込み、残りがない

確認する人が複数いるときは、同じ画面を全員で見るのではなく、担当を分けます。たとえば表示は広報、リンクは制作会社、計測は情報システムというように分ければ、見る範囲が重なりません。ただし、公開を決める人は一人にします。決めた人が「公開します」と言える状態のほうが、あとから判断をたどれます。

更新履歴を残す場所

公開したら、変更の記録を残します。残す場所は、制作会社の管理画面、社内の共有フォルダ、表計算ソフトのシートなど、続けられる場所を一つに決めます。同じ情報を複数の場所に置くと、どれが最新か分からなくなります。更新のたびに一行を足す形なら、担当が変わっても経緯を追えます。

更新履歴に残す項目と、記入のしかた
項目記入する内容残す理由
公開日実際に公開した日。予定日と違った場合は、その日を書くいつから表示が変わったかを、後から確かめるため
対象URL変更したページのURL同じページの過去の変更を探すため
変更した場所見出し名やボタン名まで書く(例:料金表の下の一文)該当箇所をすぐに見つけるため
変更前と変更後文言は全文、画像はファイル名と掲載位置元に戻すときの判断材料にするため
依頼した人・作業した人社内の担当者と、制作会社の窓口の名前次の依頼の宛先を迷わないため
公開を決めた人確認のうえ公開してよいと判断した人の名前誰の判断で公開したかを残すため
次の見直し日キャンペーン終了や、案内の内容が変わる予定の日古い案内を残したままにしないため

記録には、変更前の内容も残します。文言なら全文、画像ならファイル名です。公開後に「前の案内に戻したい」となったとき、変更前があれば探し直さずに済みます。いつ、どこを、誰の判断で直したかを示せる形にしておきます。

公開前の確認と公開後の記録は、どちらも目立たない作業です。この二つが決まっていると、次の依頼文に書く項目も自然とそろいます。次の章では、トラブルが起きる前に決めておきたい、制作会社との役割分担を見ます。

制作会社との役割分担を、平時のうちに決める

依頼の型と確認の順番が決まっても、急なトラブルが起きたときに誰が動くかが決まっていなければ、そこで手が止まります。公開後に表示が崩れた、問い合わせフォームが送れない。そう気づいた人が最初に何をするかは、起きてから考えるより、平時のうちに決めておくほうが落ち着いて判断できます。

保守契約の範囲を確認する

「保守」という言葉で想定している範囲は、自社と制作会社で同じとは限りません。契約に含まれる作業、都度見積もりになる作業、対応の対象外になる作業の三つに分けて、具体例で確認します。あわせて、画像や原稿の素材をどこに置くかも決めます。共有フォルダや管理画面のどこに、どの名前で置くかをそろえておくと、担当者が変わっても探し直さずに済みます。

自社と制作会社の分担例(架空のLP運用を想定した整理例)
作業自社制作会社
文言の最終決定内容と表記を決め、確定した原稿を渡す渡された原稿を、指定の位置に反映する
日々の文言差し替え対象URLと変更内容を1通にまとめて依頼する契約の範囲なら作業し、確認用のURLを共有する
画像素材の用意と差し替え撮影や選定を行い、使用してよい範囲を確認する指定の位置と大きさに調整し、代替テキストを設定する
素材の置き場所社内の共有フォルダと命名のルールを決める受け取った素材の保存先と権限を確認する
更新履歴の記録社内の記録に、判断した人と日付を残す作業内容と公開日を窓口から共有する

緊急時にどこまで対応するかを決める

表示の崩れやフォームの不具合は、営業時間外に起きることもあります。何を急ぎとするか、誰が一次対応を判断するか、公開を一時的に止めてよいのは誰かを決めておきます。連絡先は一つにまとめ、夜間や休日の対応範囲は契約と照らして確認します。決めていないことをその場の善意で埋めると、対応が特定の人に寄っていきます。

急ぎの更新が起きた時の連絡順と判断(架空の例)
  1. 気づいた人が、社内の窓口へ状況を伝える
  2. 窓口が、影響するページと利用者を確認する
  3. 公開を止めるか、応急処置を頼むかを判断する
  4. 制作会社の緊急連絡先へ、状況と希望を伝える
  5. 復旧後、原因と対応を更新履歴に残す

役割分担は、責任の押し付け合いを避けるためではなく、困ったときに迷わないために決めます。半年に一度、契約の範囲と連絡先を見直す機会を置くと、担当者の交代にも気づけます。