自社サービスのLPを自分で作り、公開はしたものの問い合わせが思うように増えない。そんなとき、まず色やデザインを変えれば反応が良くなるのではないか、と考えたくなるかもしれません。ただ、ボタンが押されない理由は見た目だけにあるとは限りません。ボタンに気づかれていない、押すと何が起きるのか分からない、押す理由が見つからない、入力の手間や送信後の不安が残る。原因はいくつかに分かれるため、闇雲に色を変える前に、読者がどこで止まっているのかを分けて見ることが最初の一歩になります。
この記事では、問い合わせボタンの反応が伸びないときに確認したい順番を、位置、文言、直前の情報、フォームまでの流れという順に整理します。あわせて、変更した後の記録の取り方と、次の変更を一つに絞る進め方も扱います。読み終えたときに、次に手を入れる一箇所を決められる状態を目指してください。
問い合わせボタンが押されない理由を、見た目より先に分ける
問い合わせが届かない日が続くと、ボタンの色を変えれば反応が変わるのではと考えたくなります。ただ、分けないまま色を変えても、変わった理由は分かりません。まずは反応がない状態を分けて記録します。
反応がない日と、読者が止まる場所を分けて記録する
まず、問い合わせの件数と、読者が止まった場所を分けて残します。件数だけでは、ボタンが見られていないのか、押した後にフォームで離れているのかが分かりません。表示回数、クリック数、送信完了数、変更した日を同じ表に並べ、日付で比べます。クリックがないなら見え方か文言を、完了しないなら入力項目やエラー表示を疑います。
| 読者の状態 | 見る場所 | 確認の例 |
|---|---|---|
| ボタンに気づかない | スマートフォンで読み進めたときの画面 | 料金の説明を読み終えた位置で、ボタンが画面内に入っているか |
| 意味が分からない | ボタンの文言とすぐ下の説明 | 相談なのか資料請求なのか、押した先の行動が読み取れるか |
| 押す理由がない | ボタンの直前の見出しと本文 | 事例を読んだ流れの中で、自分の場合も相談できると分かるか |
| 押す不安がある | フォームの入力項目と送信後の案内 | 必須項目が多くないか、返信の目安や連絡方法が書かれているか |
ボタンの色を変える前に確認する二つの点
色を変える前に見るのは、スマートフォンでの見え方と、直前の見出しとのつながりの二つです。色はこの二つを確かめた後に考える項目として、後回しにします。
スマートフォンでの見え方
PCで作った画面をそのままスマートフォンで開くと、ボタンが画面の外に出ていたり、文字が小さくなっていたりすることがあります。実際の端末でスクロールし、読み進めた位置でボタンが画面に入るかを見ます。周りのリンクと見間違えない余白と、指で押せる大きさも確かめます。
直前の見出しとのつながり
ボタンの直前の見出しは、読者が最後に目にする案内です。「相談を申し込む」の直後に「資料請求」のボタンがあれば、どちらを頼むのか迷います。見出しとボタンの文言を並べ、同じ行動を指しているかを確かめます。見出しが「料金について」なら、ボタンも料金の相談だと分かる言葉にします。
二つを確認すると、直す候補がいくつか出てきます。一度にすべてを変えると、どれが効いたか分からなくなるため、まずは一つに絞ります。色の変更は、位置と文言を整えた後でも遅くありません。次の章では、ボタンを置く位置の考え方を整理します。
読者が判断する位置に、次の行動を置く
問い合わせボタンをどこに置くかは、読者がその位置で何を判断できるかで決まります。サービスをまだよく知らない段階でボタンだけが目に入ると、押す理由より先に「これは何の問い合わせか」を考えることになります。反対に、説明の最後に一つだけ置くと、読み終えた読者がボタンを探して戻る手間が生まれます。
ファーストビューに置く場合と、説明の後に置く場合
ファーストビューは、課題をすでに自覚していて、どんな会社か早く確かめたい読者に向く位置です。サービス名と対象が一目で分かる見出しの近くに、一つだけ置きます。比較検討中の読者には、料金、事例、よくある質問の直後が区切りになります。疑問が解けた直後に次の行動を置くと、読者は迷わず進めます。スマートフォンでは、画面を開いた時点でボタンが見えるかも合わせて確認します。
- ファーストビュー:見出しとボタン一つ
- 課題の説明:誰のどんな悩みか
- 料金:費用の考え方
- 事例:使い方と結果
- よくある質問:残った不安
- 問い合わせ:相談へ進む
同じボタンを繰り返すときの文言の変え方
同じ文言を何度も繰り返すと、読者は同じ案内として読み飛ばします。位置ごとに、直前で解けた疑問に合わせて一言を変えます。料金の後なら「料金について相談する」、事例の後なら「自分の場合を相談する」といった具合です。ボタンの形と色はそろえたまま、文言だけを変えると、同じ行動だと分かったまま押せます。
ただし、数を増やしすぎると押しつけがましく感じられます。区切りの良い三、四箇所を目安に絞り、それぞれの直前の見出しと文言が同じ行動を指しているかを確かめてください。
ボタンの文言を、読者の行動と結果で書き分ける
「お問い合わせ」という文言は、押した先に何があるかを伝えません。資料が届くのか、相談の日程を決めるのか、見積もりを頼むのかで、押す前の迷いは変わります。文言は、押した後の結果まで短く示す項目として考えます。
押した後の流れを文言に入れる
文言は、ボタンの直前で読者が何を決めようとしているかに合わせます。料金の説明の後なら費用の相談、事例の後なら自分の場合の相談です。次の表は書き分けの例で、実際のサービス内容や条件に置き換えてください。括弧内の時間や方法は、実施できる範囲だけを書きます。
| 置く場所 | 抽象的になりやすい文言 | 具体的な文言の例 | 伝わること |
|---|---|---|---|
| 料金の説明の直後 | お問い合わせ | 料金について相談する(オンライン30分) | 費用の話から始まると分かる |
| 事例の直後 | 詳しく聞く | 自分の場合を相談する | 事例と同じ相談ができると分かる |
| 資料の説明の直後 | ダウンロード | サービス資料を無料で受け取る | 何が届くのか分かる |
| よくある質問の直後 | お問い合わせ | 質問にない点をメールで聞く | 質問の続きだと分かる |
返信までの目安を書く場合の注意
「24時間以内に返信」と書くなら、その通りに返せるかを先に確かめます。目安は営業日で数えるのか暦日で数えるのか、土日祝を除くかを添えます。決められないうちは、返信の順番だけを伝える書き方に留めます。
電話とフォームの使い分け
電話は、すぐに話を聞きたい人や、画面で読むより口頭が早い人に向きます。フォームは、時間を選ばずに送れて、やり取りを残したい人に向きます。両方を並べるなら、どちらを主にしたいかを決めて目立たせます。電話番号には受付時間を添え、時間外にかけた人の不安を減らします。
不安を下げる一言を、ボタンの近くに置く
押すのをためらわせるのは、押した後の見えにくさです。営業の電話がかかってくるのでは、入力が長いのでは、断りにくいのではという想像が残ると、読者はボタンの手前で止まります。すぐ下に、その不安に答える一言を置きます。次の箇条書きは書き方の例で、実際の運用と違うことは書けません。
- 営業の電話はかけません。ご希望の方法でご連絡します。
- 入力は3項目で、1分ほどです。
- 相談だけでも構いません。契約を前提としたご案内はしません。
文言は、変えた理由が分かるように一箇所ずつ変えます。ボタンの文字を変えた日と、その前後の件数を残しておけば、次に見直す場所を選びやすくなります。次の章では、押した後のフォームで離脱を減らす見直しに進みます。
ボタンから送信完了までの道のりを短くする
問い合わせボタンが押されたとしても、フォームの途中で離れてしまえば問い合わせは届きません。押した後に読者が止まりやすいのは、入力の量そのものです。名前と連絡先、相談したい内容があれば、返信はできます。会社名、部署、予算、希望日時までを最初から必須にすると、答える前に考える負担が増えます。
入力項目を、対応に本当に必要なものだけにする
必須は、返信するためにどうしても要る項目だけに絞ります。それ以外は任意と明記し、なぜ聞くのかを一言添えると、記入する理由が伝わります。項目が多いフォームでは、読者はどこまで答えれば送信できるのか分からず、途中で画面を閉じてしまいます。
- 必須の項目は、返信に必要なものだけか
- 任意の項目に、何に使うかが書かれているか
- 入力欄の数が、スマートフォンで一度に見渡せるか
- 送信前に、入力内容を確認できるか
スマートフォンで片手操作を試す
公開前に、実際の端末を片手で持ち、親指だけで最初から送信まで進めます。入力欄を選んだときにキーボードで画面が隠れないか、必須の印が読み取れるか、戻る操作で入力が消えないかを見ます。エラーは送信後にまとめて出すのではなく、欄の近くに理由を添えると、直す場所が分かります。
- ボタンを押す
- フォームに入力
- 内容を確認して送信
- 完了画面で案内を読む
項目を減らした結果、返信に必要な情報が足りなくなっては本末転倒です。決めた項目だけで返信の文が書けるかを試し、足りなければ任意の項目で補います。直した日付と送信完了数を残しておくと、次の見直しで変更の前後を比べられます。
公開後の見直しを、一回で終わらせない
公開したLPは、出した時点で完成というわけではありません。反応が返ってこない期間があっても、そこで終わりにせず、記録を取り、一箇所だけ変えて、また見る。この繰り返しが、勘に頼らずに見直すための土台になります。大切なのは、一度に多くを変えないことです。
問い合わせの中身を、担当者が読む
件数だけを見ていると、増えたか減ったかは分かっても、なぜ問い合わせが来たのかは分かりません。届いた問い合わせを担当者が読み、どんな困りごとで、どの説明を読んで連絡してきたのかを拾います。読者が使った言い回しが、そのままLPの文言の参考になることもあります。
- 問い合わせ本文から、相談の種類と困りごとを短く書き出す
- 流入元のページや検索語を、分かる範囲で添える
- 返信で最初に伝えた内容と、追加で聞いた点を残す
読むときは、一件の強い意見をそのまま全体の傾向にしないようにします。同じ困りごとが複数回来ているか、説明のどこで止まったかを、事実と推測を分けて書いておくと、次の判断に使いやすくなります。
次の変更を一つに絞る
記録を見ると、直したい場所はいくつも見つかります。ただ、同時に変えると、反応が動いた理由が分からなくなります。読者が止まっていた場所に対応する一つを選び、変えた日と内容を残し、比べられる日数を決めてから次の判断をします。
- 変更前の数と問い合わせの内容を記録する
- 直す場所を一つだけ決める
- 決めた期間はそのまま公開する
- 件数と中身を読み返す
- 次の一つを決める
見直しは一回で終わるものではありません。小さな変更を続けるほど、自社のLPで反応が動く条件が、少しずつ分かってきます。




