ブロック数は、いつの何を数えた値か確かめる

LINE公式アカウントの管理画面では、「友だち」の画面で友だち追加数、ターゲットリーチ、ブロック数を確認できます。ブロックが増えたと感じたら、まずここを開きます。ただし初期表示は直近7日分です。日付を選べば最大397日までさかのぼれますが、見えている7日をそのまま「先月との比較」に使うと、長さの違う期間を並べることになります。

数字の意味も確かめます。ここで見られるブロック数は、選択した期間中の合計です。その期間に友だち追加した人がブロックした数、という意味ではありません。前から友だちだった人がこの1か月の配信でブロックした分も、期間の中なら入ります。期間の外で起きたブロックは入りません。比べる2つの期間は、同じ長さにそろえます。

経路別にはさらに制約があります。友だち追加の経路は最大90日まで、絞り込みを使うと数値は50単位の概算になります。日ごとの友だち追加が20件に満たない日は、数値は確認できず、その日は0と表示されます。実際に0件だったとは限りません。経路や流入元が20件未満のものは「その他」にまとまります。友だちになってから90日以上たっている人のブロックも「その他」です。友だちが数百人規模だと、経路別のブロックは細かく読めないことがあります。

読めない部分を「なかった」と扱わないために、期間を先に決めます。直近7日とその前の7日、直近28日とその前の28日、先月とその前の月、というように、同じ長さの2期間を決めてから画面を開きます。各指標の値がそろうタイミングは今回確認できていないため、値が確定する時刻は公式の説明に従ってください。

同じ期間の配信ログを並べ、配信ごとの送信量と期間の集計を分ける

ブロック数の増減だけでは、どの配信が影響したかは決められません。最初に決めた期間に合わせて、その期間に送った配信を日付順に並べます。配信の記録は、管理画面の履歴のほか、予約に使った表やカレンダーに残っていることがあります。

並べる列は、配信単位の6つと、期間単位の2つに分けます。ブロック数は選択した期間の合計で、配信ごとには取れないためです。配信ごとに「何人に届いたか」も、今回参照した公式画面では確認できません。届いた規模は、期間のターゲットリーチで見ます。

配信単位の列です。

列何が分かるか
配信日時ブロック数の増加と同じ時期に何を送ったか
対象全員に送ったのか、対象を分けて送ったのか
内容の種類案内、クーポン、予約のリマインダーなど、何の用件か
送信回数その配信でメッセージを何回送ったか
送った友だち数何人に向けて送ったか
通数送信回数×送った友だち数で出る、送った量

期間の側に置く列です。

列何が分かるか
ターゲットリーチ配信の対象になる友だちの数として画面に出る、期間の指標。配信ごとに実際に送った友だち数とは別
ブロック数選択した期間中の合計。配信ごとには取れない

ブロック数の合計を、それぞれの配信の行に重ねて入れないでください。同じ値が何度も並び、どの配信の影響かを見誤ります。

通数は公式の数え方に沿います。1回の配信で使える吹き出し(トーク画面に並ぶメッセージの箱)は3つまで、通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」です。吹き出しの数を変えた配信が混ざると、配信回数が同じでも送った量は変わります。回数だけで比べると、実際に送った量を見誤ります。

送った友だち数と、実際に届いた数は同じになりません。ブロックした友だちにはメッセージが届かないためです。もっとも、配信ごとの到達数は今回参照した公式画面では確認できないので、配信の行では通数と送った友だち数を見て、期間の側ではターゲットリーチの推移とブロック数の合計を見ます。すると「送った量は増えていないのにブロックの合計が増えた期間」と「送った量もブロックも増えた期間」が分かれます。

登録した理由と、届いている内容のずれを見る

頻度を疑う前に、内容を見ます。ソーシャルデータバンク株式会社調べの消費者調査では、企業のLINE公式アカウント配信について、82.0%が不満を感じた経験があると答えています。不満の内容としては配信頻度の多さだけでなく、自分に関係のない情報が多いこと、同じような内容が繰り返し届くことも挙がっています。読まずに既読や未読にする経験は86.2%で、その理由として最も多かったのは自分には無関係な内容だと感じること(65.3%)でした。頻度は複数ある不満の1つで、内容のずれは別の不満として並んでいます。

調査の条件です。実施日は2026年8月13日、インターネットリサーチ、有効回答は500人(男性250人・女性250人)、主体はLINE公式アカウント向けのツールを提供するソーシャルデータバンク株式会社です。調査対象は企業のLINE公式アカウントを友だち登録した全国の男女で、自己申告による1時点の回答です。特定のアカウントの実績ではありません。発表も一部抜粋と述べていて、細かな回答の基数は確認できていません。数字は振り返りの手がかりにし、目標値にはしません。

手元では、登録の経路ごとに「何を期待して登録したか」を書き出します。登録時のアンケートがあればそこから、なければ顧客の記録や問い合わせの内容から拾います。公式画面の経路別ブロックは読める範囲だけを見て、20件未満で「その他」にまとまった部分は自社の記録で補います。経路ごとの登録理由と、その経路に実際に送っている内容を並べると、ずれている組が浮かびます。

内容のずれを「頻度が多すぎる」に読み替えないことも、この章の要点です。無関係な情報が続けば、少ない頻度でもブロックされる可能性がある、とTeLASの記事も指摘しています。回数を減らしても中身が変わらなければ、ずれは残ります。

別の経路から同じ内容が届いていないか確かめる

配信は1つの経路からだけ出ているとは限りません。手動の配信、友だち追加をきっかけに進むステップ配信、予約の前日に送るリマインダー、システムから自動で送る配信。同じ案内やクーポンが複数の経路から出ると、受け取る側には別のメッセージとして届きます。

通数の式は前の章で見たとおりで、経路が増えれば送信回数が積み上がります。ここでは式を繰り返さず、重なりを見つける手順に絞ります。

やることは1つです。これから1か月の配信予定を、経路をまたいで1枚の表に並べます。列は日付、時刻、経路、対象、内容の5つで足ります。並べると、同じクーポンを手動配信とステップ配信の両方で出している、予約リマインダーとステップ配信の案内が同じ日に重なっている、といった重複が見つかります。経路ごとに担当が分かれていると、それぞれの予定表は正しいのに、受け取る側では二重になります。1枚にする作業そのものが点検です。

今回参照した範囲では、経路をまたいだ重複の点検まで手順として整理した記事は見当たりませんでした。手動とステップとリマインダーを別々に管理しているアカウントほど、抜けやすい場所です。

ブロック率だけで良し悪しを決めない

ブロックした友だちには、その後の配信が届きません。ブロックが増えると、配信が届く母数そのものが変わります。ブロック率だけを判断材料にすると、届いている相手の反応を見落とします。ブロック率の横には、同じ期間のターゲットリーチと友だち追加数を並べます。リーチが保てているのにブロックが少し増えたのか、リーチも落ちているのかで、次にやることは変わります。

配信単位で売上、コスト、ブロック率、ターゲットリーチの4つを見る、という整理を紹介する記事もあります。LINE公式アカウントの支援を行うSocial PLUSの記事によるもので、平均値や中央値を自社と比べて一喜一憂する意味は薄いと述べています。ただし、配信ごとのブロック率やターゲットリーチは、今回参照した公式画面では取れません。配信日と期間の集計を自社の記録で対応付けて見ることになります。4つの順に見る整理は同社の記事によるもので、公式画面の指標をそのまま配信単位に置き換えられるわけではありません。

よく引用される数値を、そのまま基準にしない理由も書いておきます。

  • Social PLUSが示すブロック率の平均29.7%、中央値27.0%は、同社が支援するアカウントの集計で、友だち数1,000未満は対象外です。市場全体の平均として扱うものではありません。
  • TeLASは配信頻度の目安として週1回程度を挙げる一方、記事の中で「すべての企業に共通する正解はありません」と述べています。
  • TeLASの記事では、ブロック率20〜30%が平均的という記述が「と言われています」という形で出ており、典拠は明示されていません。
  • 今回参照した料金プランとマニュアルでは、配信頻度の適正値は示されていません。料金プランの説明でも「配信頻度や配信する友だちの人数に合わせて」とあるだけで、何回が適切かには触れていません。

今回参照した資料の中には、自社のブロック率が何%なら良いという基準は見つかりませんでした。基準がないからこそ、同じ期間の配信ログと期間集計を前後で比べる見方になります。

変えるなら1つに絞り、期間を決めて前後を比べる

点検して、それでも手を入れるなら、決め事は3つです。対象を絞る。一度に1つだけ変える。見る期間を先に決める。この3つを守ると、変わったときに何が効いたのかを後からたどれます。

頻度を下げるのは最初の手段にしません。先に試せるのは、送る対象を分ける、内容を入れ替える、重複を消す、の3つです。内容のずれは内容の問題、経路の重なりは経路の問題で、どちらも回数を変えずに直せます。それでも反応が変わらないときに、頻度を動かします。

ソーシャルデータバンク株式会社の調査では、「適切だと思う配信頻度」への回答として「月2〜3回」が33.4%で最多でしたが、そのまま目標にはしません。回答者500人の認識で、自社の友だちの希望でも、推奨値や適正値でもありません。自社の友だちの希望は、対象を分けて聞くか、配信ごとの反応を見る方が実態に近くなります。同じ調査では、情報の種類や頻度を自分で選べるなら利用を続けたいと答えた人が77.2%、自分に合った配信を魅力的と評価した人が73.2%いました。一律に減らすより、受け取る側が選べる余地を残す方がよさそうだ、という程度の材料で、因果の証明ではありません。

見る期間は、変える前に決めます。ブロック率の変動、クリック率、配信の費用対効果を見て、まず1か月記録することを勧めるTeLASの記事もあります。1か月は一例ですが、「変えた日から1か月」と先に決めておけば、途中の数字に一喜一憂せず前後を比べられます。

株式会社ありがとうは、LINE公式アカウントの構築・運用と、LPから相談までの設計を支援しています。相談はこちらのフォームから受け付けています。

次にブロックが増えたと感じたときは、頻度を動かす前に、期間、配信ログ、登録理由とのずれ、経路の重なりの4つを順に見ます。比べるのは、ブロック数だけでなく、同じ期間のターゲットリーチと友だち追加数も並べたときです。何を比べれば判断できるかが決まっていれば、下げるかどうかの結論は、その数字を見てからでも遅くありません。